新年明けましておめでとうございます。
毎年新年になると私が1番に願うことは、皆さんと共に元気で幸せな1年になる事です。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
さて、寒い日が続きますが、いかがお過ごしですか?
身体の芯から冷えるこの頃、日本では温かい鍋が1番のご馳走になりますね〜
韓国の冬は日本より一段と寒く、冷たい風が顔に当たると痛く感じるくらいです。
韓国も、やはり温かいスープのクッ(국)、タン(탕)、チゲ(찌개)、鍋(전골)、などが冬の定番になります。
今回は韓国のドラマでもよく出てくる肉の人気スープ、ソルロンタン(설렁탕)の話です。
コムタンの種類
ソルロンタンは コムタン곰탕の一種です。コム(곰)は長く煮る、タン(湯)はスープの事ですが、最近はコム(곰)は外してタン(탕)だけでも言います。
コムタンも色々種類があり、鶏肉、魚やアワビ、ナマコ、などを長く煮るコムタンもありますが、一般的に肉のスープが多いです。
鶏スープ(닭곰탕)、テールスープ(꼬리곰탕)、カルビスープ(갈비곰탕)、牛足スープ(우족탕)。
他には、(도가니탕)牛の足首や足のひざの軟骨、関節などを長く煮たスープなどもあります。


ソルロンタンの食べ方
ソルロンタン(설렁탕)は牛の色んな部位の肉と牛骨を多めに入れて、
血抜きや下準備をして、長く丁寧にアクを取りながら強火でお湯を足しながら、6時間以上煮るスープです。
牛骨から出た濃厚な白いスープが特徴です。
コムタンの専門店では、アツアツのスープを食べられるように黒い土器に入れて出て来ます。
スープの中にはやわらかく煮た肉の薄切りと春雨または冷麦の麺が入っています。
味つけは客がしますが、美味しい塩、胡椒、小口切りのネギを入れて食べます。
そしてソルロンタンには必ずと言っていいほど大きめの大根キムチがセットで出てきますが、その大根キムチがまた美味しいこと。
大根キムチの汁をソルロンタンのスープに入れる方もいますが、塩、胡椒、ネギのシンプルな味付けだけで味わって欲しいです。
美味しいキムチであってもせっかくの時間と手間を掛けて大事に作ったソルロンタンのスープがキムチスープのようになりますからね〜。
ソルロンタンの歴史
ソルロンタンの名の由来は、スープが雪のように白いから 雪濃湯(ソルノンタン)からソルロンタン(설렁탕)になったと言われる説や、
年1回王様が豊作を祝うために野外での農耕行事を行い、行事が終わると先農壇(선농단)に供えた牛を丸ごと煮て、参加した人たちに塩味を付けて食べさせる先農湯ソンノンタン(선농탕)からソルロンタン(설렁탕)になったという説もあります。
どちらにしても、元々肉を食べていた遊牧民族が定着しながら農耕国家になり、シルクロードから仏教が伝来し長い間穀物と野菜中心の食事になっていましたが、13世紀ごろ(高麗の末)のモンゴルの元の侵入により肉食が復活、朝鮮時代にはモンゴル式の水から肉を入れて煮るスープ料理が庶民中心に広がっていったものと思われます。
ソルロンタンは食材や作り方が難しいため家庭料理としてではなく、専門店で食べる料理として発達して来ました。
今では韓国の人達に愛される料理になっています。
最近では韓国のドラマでもよく出てくるせいか韓国を訪れる観光客にも人気があります。

ソルロンタンの栄養分は
肉の部位によっては栄養成分が違いますが、
良質のタンパク質、鉄分、カルシウムやコラーゲンたっぷりで消化にも良く、 美肌はもちろん骨を丈夫にします。
また旨み成分のアミノ酸を多く含んでいて風味ある美味しいスープになります。
ビタミンCたっぷりの大根キムチ や白菜キムチなどと一緒に食べると、栄養分の相性がよく、もちろん美容にも良いでしょう。
ご家庭でできるテールスープの作り方
家庭ではカルビスープやテールスープは作る事ができるので、ここでは日本でも手に入る材料を使って牛テールスープの作り方を簡単にご紹介します。
まず、できれば肉の専門店で早めに質の良い牛テールを注文しておくとよいでしょう。
テール1本なら約2キロくらいが目安になります。

テールスープの作り方
材料
- 牛テール: 1キロ (大きめで食べやすいサイズに切ったもの)
- 水: 約4リットル程度
- にんにく: 皮がついたまま丸1個、おろしにんにく少々
- 春雨: 少し(茹でて)
- だし昆布: 1枚(10×10センチ程度)

味付け
塩、胡椒、小口長ネギ、各適量、お好みで粉唐辛子適量
(1)たっぷりの冷水に牛テールを入れて冷蔵庫に入れ1日置いて血抜きをする。
(2〜3回水を替える)。
(2)(1)の水気をきる。
(3)鍋にたっぷりの水を入れて沸騰させて(2)のテールを入れてゆでこぼし、綺麗に水洗いする。
(4)鍋に水、(3)のテール、にんにく皮ごと、だし昆布1枚、を入れて強火で煮る。煮立ったら弱火にしてアクを取りながら、約3時間ほど煮る(途中で昆布を取り出す)。
(5)テールが柔らかくなったら塩、おろしにんにく少々を加える。
(6)器に(5)のスープとテール、茹で春雨を入れて小口ネギを加える。
味をみて塩味を加える。
ポイント
- 血抜きとアクはよく取るようにする。
- テールの肉が骨からすぐ離れるまで煮る
- 塩は出来れば美味しい塩を使うといいでしょう。
作ったスープを1回分ずつ冷凍しておき、寒い時、また忙しい時に、簡単にテールスープや美味しいクッパ(국밥)、正月の美味しいお雑煮(トック)にも活用できます。
温かいソルロンタンやテールスープはコラーゲンたっぷり、美肌はもちろん健康にも良いですね。
体も心も
ホットで暖かく、
この寒い冬を乗り越えてくださいね〜〜。