もう12月です。皆さんお元気ですか?
寒く何かとせわしない日か続きますが風邪などひかないように、栄養ある良い食事をとるように心がけてくださいね~
今回は、毎日の食卓が豊かになる保存食の話です。
冬の始まりの韓国では、寒さの厳しくなる前に、冬に食べるキムチを1度に漬け込む、キムジャン( 김장 )の風景が有名ですね。
他にも、農村では、日当たりの良い庭に、唐辛子や柿、大根、大根菜、えごまの葉、若かぼちゃなどの野菜や山菜、根菜など冬の常備菜を色々干し、保存食を作る風景を見ることができます。
山間地方やお寺では、地域の旬の野菜や山菜を乾燥させるか、塩漬けや酢、味噌、コチュジャン、醤油に漬けて保存します。
三面が海に面している海辺の地方では、季節の特産の魚や、貝、海草などを干して、または魚に塩を入れて塩辛を作り保存しておきます。
そして、各地方の特産品は、ソウル卸売市場に集まります。
質の良い干し魚や海草、干し野菜や色々な保存食の食材が集まっていて何でもあるように見えます。
今ではスーパーや百貨店などで年中色々な野菜やお惣菜、食品が販売されていますし、大手の食品会社も簡単で手軽に食べられるような新しい商品を次々と出してきます。
簡単に袋から取り出して食べるか、温めるだけのものもありますね。
料理があまり得意ではない人でも、美味しい評判の店をインターネットで検索して簡単に探し購入できるようになって来ました。本当に何でもある、便利な時代になってきました。
でも変わらず人気があるのは、家庭の母の手作りの味噌やコチュジャン、醤油を使って家庭料理を作る飲食店の집밥(家庭のご飯)です。
やはり遠く離れていても毎日食べた我が家の母の手料理は懐かしく、ときどき無性に食べたくなるのは誰でも同じでしょう。
さて、韓国の保存食は非常に種類が多いのですが、簡単に説明したいと思います。
1.干し野菜
旬の野菜やいろんな山菜、根菜、きのこなどを干して保存し、野菜がない寒い冬に、水で戻してナムルや料理に使います。
昔から、1月15日には五穀ご飯とムクンナムル 묵은나물(干し野菜を水で戻して作るナムル)を食べ1年の豊作と幸福を祈る習慣は今も続いています。
2.豆(콩)
- 大豆、豆腐を作るだけではなく、水で戻して醤油味に煮る、きな粉を作る、茹でて豆乳やおからでチゲ、チヂミ、粥、餅などを作ります。またご飯にも。
- 小豆は魔よけの意味を持ちます。
- ご飯、冬至の粥、餅、色々なお祝いの時にもよく使います。
- 緑豆は餅のあんや粥、お好み焼きなどを作ります。
3.チャンアチ(장아찌)
大根、きゅうり、うり、青唐辛子、にんにく、山椒、などをはじめいろいろな旬の野菜や根野菜、野菜の茎、木の実、きのこ、果物などを塩、醤油、酢、味噌、コチュジャン、に漬けて保存し、使う時は少し取り出し、味付けしておかずに。また塩抜きしてからごまやごま油、ねぎ、にんにくなどで味付けして和えるか、蒸しておかずに。
その数も多く、100種類くらいあると言われています。
4.塩辛 チョッカル(젓갈)
古く新石器時代時代からの歴史を持つ塩辛は、海の新鮮な魚、貝、を塩漬けして保存したものです。長く保存させるため塩の分量、漬け込む時の容器、温度、湿度、などが重要です。
塩分は塩辛によって違いますが13~20%になります。味、風味、色、そして香り、良質なアミノ酸たっぷりの塩辛はそのまま食べたり、調味料で味付けしてあえたり、蒸す、などします。
その数も多く、キムチを作る時に欠かせないあみの塩辛やいわしの塩辛をはじめ、貝の塩辛、辛子明太子の塩辛、太刀魚の内蔵の塩辛、いしもちの塩辛、ヒラメの塩辛、小魚や貝やナマコの内蔵の塩辛、ほたるいかの塩辛、たこやいかの塩辛、牡蠣の塩辛、タラの内蔵の塩辛、たらこ、カニの醤油漬け、ウニの塩辛などなど、魚の内蔵や卵を塩漬けした塩辛は数多くあります。
色々な塩辛はキムチにはもちろん、味つけしてご飯のおかずに、そしてナムル、スープやチゲの味付けなど旨み調味料としてもよく使われます。
식해(シッケ)
魚に穀物、塩、麦芽などを加えて混ぜ、発酵させた物はシッケと呼びます。
チョッカルやシッケは、その数150種類くらいあると言われています。
5.マルンチャン(마른찬)
マルンチャンは、干し魚や野菜などの乾物を使ったおかずです。
ホ(포)
乾物の魚や貝、煮干、ちりめんじゃこ、干したら、スルメイカ、たこ、干し明太、干し白魚、干し肉、などがあります。
味付けしておかずにする、だしをとる、お酒のあて、焼く、蒸す、煮る、炒める、あえる、スープやチゲにも。
意外に幅広くいろんな料理に使えます。
ティカック(튀각)
乾燥した昆布、芋、野菜、山菜、根野菜、などを油で揚げます。精進料理によく使います。
フカック(부각)
乾燥した昆布、海苔、えこまの葉、山菜や野菜の葉、根菜、木の実、などにもち米の糊をつけて乾燥させた野菜を油で揚げます。精進料理によく使います。
6.発酵保存食のキムチ(김치)
これから韓国では長く厳しい冬が始まります。野菜がない時の保存食のキムチは韓国の食卓で大事な基本のおかずです。どんなごちそうが並んでいてもキムチがないとごちそうとは言えないという話があるほどです。
発酵した美味しい白菜キムチの栄養素は驚くほど優れています。
動物性と食物性と唐辛子粉がうまく混ざりあったキムチは、ちょうど良い酸味の美味しい時が、乳酸菌たっぷりで、栄養素も一番多い時です。
また発酵が進んで酸味があるキムチは万能調味料として色々な料理にも使われます。
キムチの漬け汁も大事に使ってくださいね~発酵の酸味が旨みの素になります。
キムチがあれば体の芯まで温まるキムチ鍋をはじめ、チゲ、納豆とあえる、豚肉と炒める、小腹が空いたらキムチを刻んで入れてキムチチヂミを焼く、キムチとチーズ入りのキムチ炒めご飯、魚と煮る。ラーメンに、粥、などいろんな料理のバリエーションがいくらでも増えます。
これから寒くなって来たらキムチ鍋でもいいね~
日本では赤い唐辛子入りの和え物までキムチと呼ばれているようですが料理の呼び名もいろいろ料理によって変わります。
今回の簡単料理は赤い色のピリっと辛いさきイカのコチュジャン和え(오징어채고추장무침)です。参考にしてくださいね。
さきイカのコチュジャン和え
(오징어채고추장무침)
材料
- さきイカ 100グラム
- 無塩ナッツ すこし
(A)
- 韓国産のコチュジャン 大さじ3
- 粉唐辛子(韓国産)甘口 少々
- みりん、はちみつ、各大さじ2
- 濃口しょうゆ、すりごま、ごま油 各適量
作り方
- さきイカは食べやすい長さに切る。
- ナッツはあらめのみじん切りにする。
- (A)を混ぜてから1、2、をよく混ぜ合わせる。
ポイント
- さきイカの塩分など味をみて(A)の調味料で調節しましょう。
- 少し柔らかく仕上げたい時は(A)に昆布だしを少し入れるとしっとり味に仕上がります。
- ねぎは食べる時あしらうようにします。
干物で、簡単で美味しい、ピリッと甘辛く、保存できるおかずが出来上がり。1ヵ月以上保存できるのが嬉しいね~~。