韓国の餅の歴史は、紀元前の原始時代から土器に穀物や米を蒸して食べていた時から始まり、人の一生の中でうれしい時や悲しい時、いろんな行事や儀式、願い、感謝、民間信仰と深く関わりながら発達してきました。
現代では家庭で餅を作ることは少なく餅の専門店に注文するようになりましたが、時代が変わっても、餅は家庭での様々な行事に欠かせないものです。
赤ちゃんが産まれたら
韓国では、赤ちゃんが産まれたら一番初めに、真っ白な蒸し餅 ペクソルキ(백설기)を作りお祝いします。
赤ちゃんが純粋できれいな心をもつ人になるように願うのです。
삼칠일、100日のお祝いに
삼칠일サムチルイル (産まれてから7が3回目の日)、そして100日のお祝いには、
真っ白の蒸し餅、きびあずき団子、あん入り蒸し餅、を作りお祝いをします。
真っ白のようにきれいに、悪い事がなく成長していくように、中身がいっぱいで知的な人になるように願う。親戚や知り合いの人たちと共に餅を食べながら祝います。
この餅は子供が7歳になるまで作り続けます。
1歳の誕生日
生まれて初めての誕生日のお祝いは、華やかな色の晴れ着を着せて、たくさんの人と祝います。
この時代に調和しながら生きていくようにと、餅に五色(宇宙の色)を使った餅を加えます。
そして皆さんも韓国のドラマで見たことがあるかも知れませんが、お祝いの席で、子供が大きくなったらどんな人になるのかを占います。
小さい御膳に餅と麺、糸、お金、本、布、米、などを並べて、子供が何を取るのかを楽しみます。女の子と男の子では並べるものが違いますが、最近はもっと自由に、お金や他の財産、親が歌手ならマイクも並べたりして、子供が選ぶのを待ち楽しんでいます。ほとんどの人が飲食店で誕生日のお祝いをすることが多いです。
学生時代
そして成長するにつれ、難しい本の勉強が終わるたびに餅とご馳走を作り先生や友達と一緒に食べます。
たっぷりあんの入った五色の蒸し餅と、あん無しの五色の色で飾った梅餅を作ります。
中身が詰まった知性だけではなく、心が広い徳がある人になるようにとの願いが込められています。
成人式
成人式には社会に役に立つように、責任と義務を果たすように、いろんな餅とご馳走を食べます。
婚禮 ホンレ(혼례)
結婚の時には、二段のもち米の小豆蒸し餅を必ず作リます。悪い事がなく餅米の餅のように仲良く幸せに結婚生活ができるように願います。
還暦回甲 フェカプ(회갑)
61歳になると、子孫たちが育ってくれた感謝を込めて盛大なお祝いをします。一番華やかで盛大なお祝いになります。
花餅やいろんな餅を作り、華やかな色を使い無病長寿を願いお祝いをします。お祝いが終わるとお客様に分けて持って帰ってもらいます。
この世を去る時
最後にこの世を去る祭禮、緑豆、黒ごま、きな粉、はちみつの蒸し餅、を使い、亡くなった方を追悼します。
このような様々な儀式は地方や家庭、時代と共に変わって行きます。
今回は美味しいだけではなく深い意味を持つ韓国の餅の話でした。
私たちの毎日の食も、もっと大事にしたくなりますね。
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