年々夏が暑く長い感じがします。朝晩はすこし風が変わりましたけれど、秋はもう少し先のように感じます。みなさんはお元気ですか?
8月の料理教室は、暑さで弱った体も元気にしてくれる、宮廷風サンチュサム(상추쌈)でした。少しご紹介しましょう。
サンチュサムのサム(쌈)は包むという意味です。
たっぷりの新鮮な野菜を野菜畑のように食卓に並べ、皆で囲んで雑穀ご飯を包んで食べる、韓国でも夏の定番の食事の風景です。
本来は、麦ご飯、コチュジャン、包む野菜があれば食べられる、素朴な一般家庭料理ですが、今回は中に入れる具もすこし贅沢にアレンジしました。
- 醤油で味付けした牛肉の炒めもの
- 干し桜エビをカリカリになるまで炒めた香ばしい桜エビ
- マナガツオをコチュジャン、ネギ、ニンニク、生姜など薬念を入れて煮たピリ辛煮
- 味噌に肉や椎茸や旨味たっぷりの具材を入れて味付けして煮た味噌(쌈장)- この味付け味噌は日持ちもしいろんな料理にも使える万能味噌なので、便利です!
昔の朝鮮時代の書物には、小さく包み食するのが礼儀と書かれていましたが、野菜にご飯や具を入れて包むとき、欲張ってたくさん具を入れて包むと自然に大きくなってしまいますね。それを口にするのにみんなすごい顔になります(笑)
でもみなさん美味しい笑顔でした。私は一生懸命美味しそうに食べる幸せな顔が大好きです。
しあわせを包む
昔から韓国では1月15日には雑穀ご飯を海苔や野菜で包んで食する伝統的な風習がありました。
豊かで幸せな1年になりますようにと願うのです。
農耕国家では穀物は幸福と豊かさにつながることから、ご飯を包むサムは福を包むと、人々の素朴な願いが込められているのです。
農家ではサンチュとエゴマの葉を生で、豆の葉や若かぼちゃの葉はサッとゆでて、麦ご飯とコチュジャン、味噌を入れ包んで食べることが多かったです。
時代が変わった今ではサムの中に入れる具も豊かになり、お肉を焼いたり蒸して、また、魚を焼くか煮て、塩辛をいれたり、魚のお造りを食べる時も野菜で包む、など変わってきています。
包む野菜もいろいろです。
- サンチュやエゴマの葉
- サラダ用の野菜や白菜の芯の柔らかいところ
- 旬の山菜を生または茹でて
- ワカメや昆布などの海藻で
- 焼き海苔
- 豆の葉や若かぼちゃの葉を茹でて
- キャベツを茹でて
- 古漬けの白菜をサッと洗い味付けして蒸して包む
そして、小麦粉の薄焼きにいろんな具材を包む、宇宙のすべてを包む宮廷料理の九節板があります。
お寺の精進料理では山菜を茹でてはじめからおにぎりのように包んだサムバフ(쌈밥)もあり、本当に韓国の人達は包んで食べるのが大好きですよ〜
おいしくて、健康的で、カンタン。
今は韓国では包む時の味付け味噌(쌈장)も手軽に大手スーパーで買えるようになり便利になりましたし、日本の大手スーパーでも韓国の味噌や味付け味噌(쌈장)を購入できるところもありますねー
秋のサンチュは玄関を閉めてこっそり食べるくらい美味しいとの話が昔からありましたが、最近は韓国でも目新しいサラダ用の野菜も多くなりました。
サンチュだけでもなく手頃な野菜を購入して綺麗に水洗いし、肉を少し炒め、コチュジャンや味付け味噌(쌈장)にごま油をを少しいれて、野菜たっぷりとご飯を包んで、皆さんも元気と幸福を包んでみてくださいね〜
野菜を生食しますとビタミンの紛失も少なく、緑黄色野菜のカロチンは油と相性がよく栄養素をアップすることになります。
美味しくてバランスが取れた食事は、明日に向かって頑張れる源になること間違いなしですね〜
ちなみに2017年9月のメニューは大人気、金裕美特製「アワビ粥」他3品です。1回だけの体験クラスで習うこともできますよ。空き状況は下記よりご確認ください。