桜の花が咲き終わり、新録がとても美しい季節になりました。皆さんはお元気ですか?
桜の花びらや抹茶入りの繊細で美しい和菓子や洋菓子など、美味しそうなスイーツが並んでいる売り場はいつも賑わっています。みんな甘いスイーツが大好きですよね〜
今回は韓国の伝統お菓子(한과)とお茶の話です。
韓国のお茶とお菓子の歴史
韓国の伝統的なお菓子とお茶といえばどのようなイメージをお持ちでしょうか?
お菓子の歴史は文献の記録でははっきりしておりませんが、祭りの時に神様にお供え物をする時、旬の果物の代わりに穀物でお菓子を作ったことからだと思われます。
お茶は、4世紀くらいに中国から仏教と共に三國時代の高句麗に伝わったと言われています。
緑茶の原産地はインドまたは中国ともいいますが、韓国では三國時代に、眠気を冷し思考が深くなり体が軽くなるということで、まず修行するお坊さんと上流社会から広まり、その後一般庶民まで広まったと言われています。
9世紀には韓国南部の智異山でお茶を栽培していたと言われています。
葉っぱ茶、そして餅茶(お茶葉を蒸してつき形に入れてから乾燥させ粉にする)が作られるようになりました。
そして、お茶が広まると共にお菓子も発達して行きます。
仏教が最も盛んだった高麗時代には、当時は高価だった小麦粉に蜂蜜や油を使った油蜜菓の약과(薬菓 ヤックァ)が、高麗国の名物だったとも言われています。
また、お茶とよく合う有名な高麗青磁器がこの頃生まれますが、13世紀末には元が攻めて来て、仏教の国高麗は滅びます。
朝鮮時代に入り、仏教の廃止とともに儒教が広まり、緑茶を飲む習慣はだんだんと少なくなります。その代わりに漢方の食材が使われ、韓国のお茶は、昔の緑茶から、漢方を煎じるお茶に変わって行きます。
漢方を煎じるお茶は数多くありますが一般的なものは
- 干し棗を長く煎じる棗茶、
- シナモンを煎じるシナモン茶、
- 土生姜を煎じる生姜茶、
- 煎じて冷やした冷茶、
- 米を発酵させた식혜の冷茶、
- シナモンと生姜を煎じて冷ます수정과
- 色鮮やかな五味子、
などがあります。
今では、時代と共に伝統的なお茶の種類もかなり少なくなってきました。
韓国の伝統的なお菓子の種類
最近では抹茶が体に良いということで、アイスやケーキなどにも使われるようになって来ましたが、韓国の伝統的なお菓子は水飴や蜂蜜をよく使います。
1.유밀과 油蜜菓
小麦粉に蜜や油を入れた生地を、油で揚げて蜜をつけたお菓子。薬菓(약과)を始めいろいろあります。
2.유과 油菓
餅米を長い時間水につけて発酵させ、粉にして蒸す。よくこねて薄く伸ばして小さく切り、乾燥させてから、油で揚げ蜜をつけ、ゴマやいろいろな粉の衣をまぶしつけるお菓子で、種類が豊富です。
3. 다식 茶食
穀物の粉、漢方の粉、そして松の花の粉など、生食できる食材に蜂蜜を入れて型に押して作るお菓子。栗、松の花粉、黒ごま、生姜のでん粉、豆の粉、などがあります。
4.정과 正果
植物の根や茎、柑橘系などを甘く煮たもの。食材で名前が変わります。
レンコン、生姜、ゆず、りんご、桔梗の根っこ、など数多くあります。
5.숙실과 孰實果
果物を蜜で煮たもの。または、長く煮て元の形に成型したもの。
栗卵、棗卵、生卵(生姜卵)などがあります。
6.과편 果片
酸味のある果物を甘く煮てから、でん粉で固めて一口大に切った物。
また、五味子も使います。ゼリーのようなもの。
7.엿강정
蜜に豆、ごま、松の実、木の実などを使って水飴を入れて固め、薄く伸ばして切ったお菓子、数多くあります。
伝統的なお菓子は様々な儀式によく使われますが、作り方は非常にデリケートで手間がかかる物もあります。手間がかかり過ぎるのは市販のものを購入して使いますが、味も様々です。
よく使われていた水飴や、伝統的な穀物の一部は目にすることがなくなってきました。
後世に良いものを残していくために、もっと美味しくなるように、絶え間なく研究していくということが残された宿題なのかもしれないです。
健康で体に良い、甘くて美味しいお菓子とお茶で、幸せなひと時を元気で過ごせる、ホッとした時間があるというのはいい事ですね〜