暑いですね～ 皆さん、いかがお過ごしですか？
今日は、暑さでぐったり弱った体を元気にしてくれる、ヘルシーで栄養たっぷりの保養食、
サムゲタン（蔘鶏湯・삼계탕）の話です。
サムゲタンとは
サムゲタン（参鶏湯）は、卵を産む前の小さなひな鶏を、内臓を取り出してからきれいに水洗いし、高麗人蔘、餅米、ニンニク、生姜、干しなつめ、栗などを詰め入れてから、鶏肉がやわらかくなるまで炊いた１人鍋のような料理です。
夏の三伏（삼복・サムボク）の時や、体が弱った時の栄養食として昔からよく食べられていました。
三伏（삼복・サムボク）とは、一年で一番暑いときを表す言葉です。
夏至から第３の庚の日が、初伏(초복・チオボク）、
第４の庚の日を、中伏(중복・ジュンボク）、
立秋後の始めの庚の日を、末伏(말복 ・マルボク）
といい、これらを一年の中の最も暑い時期の総称として、三伏（삼복・サムボク）といいます。
日本の土用の丑の日にうなぎを食べるのと同じようなことですね。
このころの韓国のサムゲタンの専門店は人でごった返します。黒色の土鍋の中には小さいひな鶏が一羽丸ごと入っていて、鍋の中でグツグツと沸騰しているサムゲタンを、汗をかきながら食べている人たちを見ることができます。
今では韓国人だけではなく、韓国を訪れる観光客にも一年中大人気な料理になりましたね。
サムゲタンの材料
サムゲタンには、夏を乗り切るための滋養強壮に役立つ食材がたくさん使われています。
- 良質のタンパク質
やわらかく煮た鶏肉は消化吸収も良く、元気の素になります。 - 高麗人参
体の全体的な栄養補給、ストレス解消、老化防止等、体の全体のバランスを整え万病に良いと言われます。 - 栗
胃に優しく消化にいい、栄養たっぷりで体力をつけます。 - にんにく
疲労回復やスタミナアップ、代謝アップに効果的です。 - 餅米
胃に優しく体を元気にします。 - 干し棗（ナツメ）
ストレス解消、老化防止や弱った内腸の機能を回復させると言われています。
鶏の旨味がたっぷり出て美味しいだけではなく、体を元気にする滋養強壮効果があり、しかもヘルシーで老化防止や美容、美肌にも良いのは嬉しいですね。
辛くないので、子供から年配の方まで食べやすいです。
サムゲタンの材料の入手方法
日本では手に入りにくい食材もありますが、代用も可能です。
- 鶏肉
韓国では卵を産む前の小さなひな鳥 一羽（約500-600g 1人前)で作りますが、日本ではそのような小さい鶏は一般的には売られていません。若鶏一羽（約1200g）なら鶏肉店でサムゲタン用で早めに注文すれば買えますよ。２～３人分になりますが…
- 高麗人参
生の高麗人蔘・水蔘(수삼)がない時は、漢方屋さんまたは健康食品を販売しているお店で、高麗人蔘茶を買いましょう。粉末を一袋からバラ売りしているところもありますよ。一袋で十分です。
- 干しナツメ
韓国の食材を販売しているお店なら、大抵の場合、手に入れることができます。
- 栗
栗は韓国では一年中ありますが、日本では生栗は一年中無いですね。焼き栗や干し栗を戻して使ってもいいでしょう。
韓国と全く同じサムゲタンを日本で作るのは難しいですが、まずは日本に手に入る食材で作ってみてはいかがでしょうか。
ただし、高麗人参は入れるようにしましょう。
高麗人参が入らないとサムゲタンとは言えませんね。鶏のスープになります。
サム（삼）は高麗人参のことですからね〜
サムゲタンの作り方
- 鶏のお腹の中をきれいに洗う
- 洗った餅米、ニンニク、生姜、高麗人蔘、栗、干ナツメなど、材料一式を入れる
- お腹の材料が出ないように、頭と尾をタコ糸で縫う
- 鍋に入れてかぶるほどの水を入れ、鶏肉がやわらかくなるまで２～３時間ほど炊く
- 鶏肉が柔らかくなったら土鍋に入れる
- 味付けは塩、胡椒、小口切りした白ネギだけ（キムチを添えると良いですね～）
家族の為に、普段よく頑張っている自分の為に、作ってみるのも良いかもしれませんね。
愛情がこもった手作り料理は最高のご馳走になることでしょう。
皆さんも元気でこの夏を乗り切れますように。
金裕美韓国料理教室
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